ちりめん工芸館
京都府丹後の伝統工芸 丹後ちりめんの絵はがき
丹後観光案内

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経ヶ岬

#8 経ヶ岬(きょうがみさき)

そこが一番の場所だって言われると行ってみたくなるのが人情。「行っても大したことないだろうなあ」なんて思いつつも、ちょっと歩いて行けるのなら行っちゃう。またあるいは、あと数百円出せば一番いいのが買えますよ、と言われると迷っちゃう。安い方でも用は済むんだけど一番いいのが買えるならそっちも捨てがたい。「一番」と付けば少なからず思考は揺さぶられ、時に行動を左右する。

丹後にも一番と付く物、また場所はいくつかありまして、「京都府で一番広い自然湖」離湖と、「日本で一番赤字額の大きい第三セクター鉄道」北近畿タンゴ鉄道は既にご紹介しました。経ヶ岬もその中のひとつ。ここは「近畿で一番北」の岬。日本は島国ですからローカルな最北端を探せばあっちこっちにあって、希少価値という点ではちっともすごくないのだけれど、せっかくの一番ですから暇つぶしにでも立ち寄って頂ければ、意外とナイスな風景を見て得した気分になれるのではないかと思います。

真っ青な日本海を背後にたたずむ白亜の灯台。ありきたりの灯台ではなくて、大きなレンズで遠くまで光を届けることができる、日本に5ヶ所しかない第1等灯台というものです。他の第1等灯台は日御碕、角島、とここまでが日本海で、あとは室戸岬と犬吠埼。辺境の地である丹後になぜ大きな灯台が必要だったのかというと、ひとつには日本海の航路上にある丹後半島の地理的な要因と、あとはすぐ近くに舞鶴港があるのも理由ではないかと思います。灯台が建てられたのが明治31年で、3年後の明治34年に海軍の舞鶴鎮守府が設置される。ということは、舞鶴に出入りする艦船のために造られた灯台なのかもしれません。

この写真を撮るために灯台まで登ったときは幸い快晴。観光客で賑わっていました。しかし高齢の団体さんはちょっと大変そうです。駐車場から灯台まで遊歩道があるとは言っても未舗装の上り坂、または山道という類のもので、結構頑張って歩かなければなりません。丹後はどこに行っても意図せず自然を満喫できてしまうことが多いので、ちょっとしたハイキングくらいの心の準備があったほうが良さそうです。

ちりめんだよりにはそのものズバリの「経ヶ岬」がラインナップされています。